ジャーナリストの鬼塚眞子氏が取材のため来社されました。鬼塚眞子氏の許可をいただいて掲載しております。(有)大西保険事務所の40年以上の歩みを紹介させていただく良い機会となりました。鬼塚眞子氏および新日本新聞社に御礼申し上げます。

著者プロフィール

新日本保険新聞

鬼塚さんの顔写真 鬼塚眞子
(おにつかしんこ)

大手保険会社営業、保険業界紙記者などを経て保険ジャーナリストに。 保険業界団体「オーツードットコム」主宰。新聞やビジネス誌への執筆のほか、全国各地で講演活動も行う。
※詳細プロフィール⇒http://www.o2com.org/

vol.5シュヴルム航法に擬える育成方法

シュヴルム航法をご存じだろうか? 

1936年のスペイン内戦でドイツ空軍が編み出し、空戦の様相を一変させた画期的な航法で、現在でもなお、効率の良い戦術・隊形とされ、世界中の空軍が採用している。従来の世界的な空戦では3機編隊を基本としていたが、ドイツ軍はスペイン内戦を機に、2機編隊をベースに、2組(4機)編成を一つのチームとする航法に方針を変えた。

 大西保険事務所はシュヴルム航法に擬えた育成を実施してきた。つまり、こうだ。まず、損保担当4人、生保担当4人の2グループに大きく分ける。次に、各グループのメンバーの相性を見ながら、先輩と後輩の二人一組のチームを2つ、グループ内に作る。

メリットを挙げてみよう。まずは、指揮系統が明確となることだ。同社は、最終決定責任者を大西英樹社長に据え、その下に生損保両方を統括するマネージャー役を配置、さらにその下に生保リーダーと損保リーダーを置いている。生保・損保グループ内のペアリングは、先に紹介したとおりだ。

この時に重要なことがある。後輩の指導・育成を受け持つのは、ペアを組んでいる先輩の役目であることを徹底させること。

新人が入って悩むのは、誰に何を相談していいか分からないことだ。こうした指揮系統が明確化されているなら、新人の不安も解消される。

ただ、新人が一人前になるまでには、多大な時間と労力を必要とするため、先輩の負担になることもあるだろう。しかしながら、先輩にとっても、責任感を植え付け、新人よりさらに知識の向上と実務経験を重ねるいいチャンスと捉えさせることも必要となる。 

さらに、二人の絆が強くなれば、情報と知識の共有化を図り、同じことが均等に洩れなくできるなどの相乗効果を生み出す。結果として、幹の太い組織が作り上げられる。

前出の長野さんと川原さんは、こうした育成に基づいて、ペアリングされたものだが、トークコンテストで優勝・準優勝を果たしたことで、効果のほどは実証済みだ。

実は、この春から同社は育成方法を再編した。

「スタッフを損保・生保・社会保険と3つの分野に分け、それぞれの専門性を高めてきたのは、誰が対応させていただいても、同じレベルでサービスや情報をお客様にご提供させていただくという目的がありました。この目的は達成できた段階にきましたので、今後は、従来の生保担当1人・損保担当1人の二人一組にシャッフルして、各人のスキルを共有していきます。これにより、生保にも損保にも強い担当者の育成が可能となります。さらにお客様に満足いただけるサービスをご提供させていただけるものと確信しています」と、大西社長は力説する。

とはいっても、調整能力に優れた人がいなくては、却って混乱をきたすことにもなりかねない。

同社にも名コンダクターがいる。マネージャー役を受け持つ大西家の長女・久美子さんがその人だ。才女の誉れ高い久美子さんは、卓越した調整能力を発揮、全スタッフから厚い信頼が寄せられている。

余談だが、久美子さんの前職がインテリアコーディネーターだったと聞き、店内が“お客様の心を開放する空間”に仕上がっているのは、久美子さんの采配によるものと、納得した。