ジャーナリストの鬼塚眞子氏が取材のため来社されました。鬼塚眞子氏の許可をいただいて掲載しております。(有)大西保険事務所の40年以上の歩みを紹介させていただく良い機会となりました。鬼塚眞子氏および新日本新聞社に御礼申し上げます。

著者プロフィール

新日本保険新聞

鬼塚さんの顔写真 鬼塚眞子
(おにつかしんこ)

大手保険会社営業、保険業界紙記者などを経て保険ジャーナリストに。 保険業界団体「オーツードットコム」主宰。新聞やビジネス誌への執筆のほか、全国各地で講演活動も行う。
※詳細プロフィール⇒http://www.o2com.org/

vol.6“のれん”の重み

それにしても、だ。なぜ、大西保険事務所に自然と人は集まってくるのか?

まずは、どれほど地域住民から信頼されているか、数字で示したい。

同社が商圏としているのは、周囲2キロ四方で、その人口は約3万8,000人。顧客軒数は法人583社、個人は8,343軒と、単純計算で約4,6世帯に1軒が顧客という驚異の数字が、何よりも雄弁に物語っている。

 大西社長は「ひとえに、先代の会長夫婦が築き上げた信頼を財産としているだけです」と謙遜する。

 先代から“のれん”を引き継いで、早4年が経過した。「新規のお客様から、『買い物に行った店で、保険のことなら大西さんに相談したらいいよ』と言われたので来た」という、ありがたいお話を伺うと、“のれん”の重みに身が引き締まる思いです。そんな“のれん”を守り続けるにはどうすればいのか、私なりに随分、悩んだ時期もありました」と胸の内を明かす。

社会保険労務士として、色々な企業の実態を見てきた大西社長は、その経験を代理店経営に投影させてきた。

「いたしかたない事情はあったにせよ、4・5年だけ華々しく活躍しても失速した企業も随分ありました。その一方で、毎年、微増ながら右肩上がりの成長を続けている企業もたくさん見てきました。どちらが経営的に健全で、お客様に安心を与えるかは、言わずもがなです。もちろん、時代を先取りする嗅覚を常に磨くことを怠ってはいけないと思います。しかし、こうした経験を鑑みながら、結局は、地味な努力をやり続ける人が、信頼を得て、地域に根差すと信じています」と断言する。

 お客様の信頼を裏切るようなことがあれば、先代が苦労して築いてきたすべても、根底から崩れ去ってしまうことは、誰よりも理解している。

「だからこそ、満足と感動を提供できるように、常にサービスの改善に取り組まなければなりません。それはお客様だけでなく、社員に対しても同じです。自分一人が儲けたり、特定の社員だけが優遇されることは、断じてしてはならないと思います」。

決意のほどは、経営理念にも見て取れる(表①)。

「野望などという大それたものはありません。お客様に代理店として何ができるかと言えば、当社が存続することがお客さまへの最低限のサービスだと思います。“日々是新”と題したニュースレターを隔月に1回発行しているのも、普段お目にかかれないお客様にも、会社や従業員の様子をお伝えすることが代理店の責務だと思ったことがきっかけです。地道なコミュニケーションですが、こうしたフォローを続けて行く中で、見直しや相談を考えた時に『昔から、あの場所にずっとあるし、これからも存続するだろう』と思い浮んでいただければ、と願っています。“大西保険事務所は、地域になくてはならない”そう思っていただける存在価値のある代理店を目指しています。社員には、幸せそうな笑顔で日々を過ごしてもらえたら、経営者冥利に尽きますね」。

先代から託された“のれんのDNA“は、しっかりと2代目に受け継がれている。