ジャーナリストの鬼塚眞子氏が取材のため来社されました。鬼塚眞子氏の許可をいただいて掲載しております。(有)大西保険事務所の40年以上の歩みを紹介させていただく良い機会となりました。鬼塚眞子氏および新日本新聞社に御礼申し上げます。

著者プロフィール

新日本保険新聞

鬼塚さんの顔写真 鬼塚眞子
(おにつかしんこ)

大手保険会社営業、保険業界紙記者などを経て保険ジャーナリストに。 保険業界団体「オーツードットコム」主宰。新聞やビジネス誌への執筆のほか、全国各地で講演活動も行う。
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vol.8内助の功を尊重する

大西会長に、代理店経営で大切なことは?と質問すると「色々な要素はあるが、特に大切なことは“内助の功”」との答えがかえってきた。

「いざとなったら、女性は男性より腹がすわります。私も家内の“内助の功”にどれだけ助けられたか、分かりません。近頃では、代理店でも優秀な女性を採用するケースが多くなりました。どこの家庭でも家計を握っているのは、家庭の主婦ですから、女性の気持ちが理解できる女性スタッフを抜きにして、代理店経営は語れません。うちの女性スタッフも、“良き内助の功”を発揮してくれています」と、顔をほころばせる。

愛妻である美代子取締役は、事務所のスタッフからも「残業が続くと『ちょっと持って帰らない?』と手料理を持たせてくれるような、本当に温かい、第二の母ともいうべき存在です。美代子取締役を見ているだけで勉強になります」と、賛美を贈る。

そんな美代子取締役は、結婚をきっかけに、誰一人知る人のいない土地に居を移す。朗らかで、出会った縁を大切にするという面倒見のいい人柄も加わって、近所の方やママ友を中心に着実に交友関係の輪を広げ、家族や夫婦の付き合いへと交流関係を深めてきた。

「人の出会いは長く大切に」「引き受けた以上は気持ちよく」を信条として、PTAや地元の役を務め、自ら地域に溶け込む努力を続けた。

そのせいか、知人に勧められて始めた化粧品セールスでも、トップセールスマンとして活躍を果たす。保険業務に専念することになったのは、事務所の設立が契機だ。

 美代子取締役が、今も変わらず続けていることがある。一つは、親しみと信頼感を持ってもらえるように、言葉遣いや服装を相手に合わせること。反面、ありのままの自分でいないと、取り繕うような印象を与えてしまうことも心得えることが大切だと説く。

二つ目は、データ管理の重要性が認識されていない40年前から、面談日時、話題、誕生日、契約満期日などの記録を残してきたこと。「年齢を重ねるにつれ、細かいことは忘れてしまいますから、すぐにメモを残さないと。このメモのおかげで、再び、お目にかかった時、『その後、いかがですか?』という会話もできます。お勧めするべき保険もパッと思い浮かべられます。勘が鋭いと言われますが、もし勘が養えたというなら、長年、メモをつけることを習慣にしてきたからではないでしょうか」と微笑む。

 なお、美代子取締役の実績もあり、大西保険事務所では20年以上も前から、PCを導入した顧客管理を行い、データ分析を基に最適の提案を提供してきたと聞き、これにも驚いてしまった。

 三つ目は、数年前から始めた絵手紙だ。時には、自ら漉いた和紙を使って、季節のあいさつや出会った人に送っている。その際に、一人一人の顔を思い浮かべながら、言葉を添えることも忘れない。

「自己流」と謙遜するが、写真を見れば分かる通り、「プロ顔負け」と高い評価が寄せられている。何より、絵手紙を受け取った人が、ほのぼのとした幸せな気持ちに浸ることができるのは、人と人のつながりを大切に思う美代子取締役のお人柄が彷彿されるからだろう。

大西会長、美代子取締役を見ていると、やはり「保険選びは人選び」だと思う。どれほど多くの人が、お二人から励まされ、勇気をもらい、救われた思いを抱いたことだろうか。その結果として、自然に人が集まるようになったと結論づける。

信頼を得るためのノウハウや近道はない、と改めて思う。信頼とは、その人の生き方そのものを指すのかもしれない。

首都圏から遠く離れた静かな街で、44年もの長きにわたって、会長と美代子取締役は「気持ちよく」「徹底的に」「継続する」という姿勢を貫き、地元に根差してきた。きっとこれからも何ら変わることはないはずだ。だが、それこそが、どんな時代になろうとも、たとえ環境の変化が起ころうとも、求められるプロの姿であるに違いない。